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社長のおすすめ図書
妻からの信頼がない。一切ない。全くない。
私がシャワーを浴びて出てくると、必ず脱衣所がビショビショになっていないか確認する。
ストーブ用の薪を庭から室内に入れると周辺が木くずだらけになっていないか見てまわる。
更には「今日は早く帰る」と電話をすると「何時に帰る?いつもそう言いながらグダグダと呑んで遅くなるんだから時間を言いなさい」と言われる。ことほど左様に信頼0である。
人間社会は信頼関係の上に成り立つものであり、もう少し私の事を信頼してくれと常に思っている。
それに比べて本書に登場する横浜刑務所の所長は実にエライ。他者を信じる力と勇気を持っていた。
大正12年、関東地方を未曽有の災害が襲う。関東大震災である。
当然の事であるが刑務所も大きな被害を受けた。外界と所内の間に作られた塀はすべて崩れ落ち、建物も崩壊した。
実に危機的な状況である。脱走者が出ても何の不思議もない。
しかしその時、所長は決断する。囚人たちの24時間開放を。
「家族や家の事も心配でしょう。確認できる者は確認してきてください。ただし24時間以内に戻って来てください。もしも戻れない時は他の刑務所でもいいので出頭しください」
逃走者も出る恐れは十分ある。しかし所長は決断した。
そして、解放された全員が戻ってきた!何という信頼感であろうか!ぜひ妻にも見習ってもらいたものである。
あ、気が付いた。私は妻以外からも信頼されていなかった。